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仮想通貨がハッキングされた場合

仮想通貨税務事例4

· 仮想通貨税務実例

まず、法人が保有する仮想通貨がハッキングされた場合は、取得原価で帳簿に計上されている仮想通貨が0円となりますので、その分を損失計上することになります。

 次に、個人が保有する仮想通貨がハッキングされた場合は、雑損控除が適用できるかどうかで取り扱いが決まるものと思われます。

 雑損控除とは、「生活に通常必要な資産」が「災害・盗難・横領」により損失を受けた場合に、所得控除として一定額を控除できる制度です。ハッキングは、「盗難」には該当すると思われますが、問題は、仮想通貨が所得税法上の「生活に通常必要な資産」に当たるかどうかになります。現金と近い存在である仮想通貨は、生活に通常必要な資産として扱うという見解もありますが、当社では、「生活に通常必要な資産」には当たらないと考えております。理由は、生活に通常必要な資産なのに値上がり益に対して課税されるのは合理性がないからです。

したがって、個人が保有する仮想通貨がハッキングされた場合は、損失計上できないと考えられます。ただし、事業所得として仮想通貨のトレードを業としている方の場合は、事業所得の計算上、損失計上が可能であると考えられます。